鈴木祐の科学的な適職を読んで就職について考える

鈴木祐の科学的な適職を読んで就職について考える

職業選択という人生において重要な選択にじつは人類はなれていない。なぜなら人が職業を選ぶようになったのは人類が生まれてからごく最近のことだから。この科学的な適職では幸せな職業選択を統計学的、科学的に分析している。

本の構成

  • バイアスを取り除き、一般的に言われている職業選択における常識を分析する
  • 幸福度の高い職業選択
  • これはやっちゃいけないという落とし穴を確認
  • 意思決定の方法を学ぶ
  • アクションプランを作ってみる

という構成になっている。

一般常識だと思っていたけど意外と違うもの

好きを仕事にするのは間違え?

最初から結構パンチの強い否定ですが一般的に言われる好きなことを仕事をするは科学的には間違えなのではないかという話。好きなことを仕事にした人と、割り切って仕事を選んだ人では後者の方が長続きした。

好きなことを仕事にした人は最初にハードルが上がり、好きなことから外れた仕事を嫌がる傾向があった。対して割り切り型は多少違ってもそもそもそこまでこだわりがないので受け入れることができた。

また情熱は投下したリソースに比例して伸び、最初はそこまで情熱的でなくてもやっていくうちにどんどん好きになっていく傾向があった。

給料で選ぶのも間違え?

給料が800万を超えると幸福度が上がりにくくなるという話があるが、実は400万を超えたあたりからすでに鈍くなり始める。500万くらいだと手取りで月32万ぐらいになる。確かに個人的な実感値でも正直一人暮らしなら月32万以上ってそこまで使うことない。よっぽど飲み歩かない限り。人のお金を使いたい欲求にも限界があるようだ。

またお金よりも健康や結婚生活がうまくいっているかの方がはるかに幸福度に影響を与えている。それは年収が上位数%にいくよりも7倍以上高い。

楽さで選ぶのも間違え?

楽すぎる仕事も考えもので人は適度なストレスがないと逆に不健康になる。

どういう職業を選ぶと幸福度が高くなるか?

下記の項目を満たすと幸福度が高くなる傾向にある

  • 自由・・・仕事に対して自由度があるか?男性だったら仕事の仕方、女性だったら仕事の場所や時間を重視する傾向がある。
  • 達成・・・達成感を感じ、ちゃんとフィードバックを受けれるか?
  • モチベーションのタイプにあっているか?・・・成果に対してモチベが上がるタイプか責任感で動くタイプか。加点方式か減点方式か。
  • 川上から川下まで関われてそのプロジェクトに対して当事者意識を持ちやすいか?

自由度はあるか?

自由度が高い方が幸福度が高いというのはすごい納得感あるが面白かったのが女性と男性で自由度を求める部分が微妙に違うというところ。

  • 男性・・・仕事の進め方に対して自由度を求める
  • 女性・・・仕事のする場所や時間に対して自由度を求める

組織への貢献度を感じられるか?

自分のやりたいことを組織に求められることより優先した人より組織に求められることをして感謝される人の方が幸福度が高かったらしい。また組織のなかで相対的に優秀なことをやった方が幸福度が高い。

やはり人って誰かに求められることをして感謝されるのがモチベとして大きい。

こういう職業、職場は選ぶな

  • 休日に連絡があるか?ワークライフバランスを守れるか?
  • 雇用が不安定か?
  • 長時間労働か?
  • 通勤時間が長いか?

上記を満たす職業は幸福度が下がる傾向にある。

職業選択時に陥りがちな意思決定ミス

直感を信じる人は自己正当化に走りやすい

意思決定には下記のタイプがいる

  • 合理的・・・論理的に考えるタイプ
  • 直感的・・・感覚的に意思決定するタイプ
  • 依存的・・・誰かの考えを元に意思決定するタイプ
  • 回避的・・・決定を引き伸ばそうとするタイプ
  • 早く意思決定をしようとするタイプ・・・即断即決しようとするタイプ

直感的に考える人はあとで自分の考えを正当化する傾向があるが、周りからの評価は低くなりがち。

近視眼的になりやすい

人は直近の物事を強くみがち。特に今の職場に不満があったりするとそればかりに目がいってしまう。それを防ぐために10/10/10テストを行う。

10/10/10テストとは10分後と10ヶ月後と10年後を想像するもので短期的、中期的、長期的でそれぞれどうなるかを考えることで近視眼になりやすい人の思考を正す方法。

客観視ができなくなる

人は客観視がなかなかできないし、自分がまさかそういう状況に陥っているとも思わない。強制的に客観視するためにやれる方法が

  • 自分の意思決定、状態を第三者の視点で文字にする
  • 友人に聞いてみる
  • コーチングをうける

コーチングなんかがまさしく客観視をするための手法。

重要だと思ったことに重心を置きすぎる

人は重要度の高いと思ったものばかりを見てしまう。実際には重要視していないものも考慮の範囲に入れないといけないもの。

アクションプランの作り方

では上記を考慮しながら具体的にどうアクションプランにまとめていくかを考える。

  • 自分の今の仕事の時間リソースの配分を可視化する
  • その時間リソースが何を目的にしているものかをかく
  • またその時間リソースを何のモチベでやっているのかもかく
  • その時間リソースが組織内でどういう意味合いのものなのかも書く
  • ちゃんとその割合が自分のやりたいことに合っているのかを確認する

をやり、現状の仕事がどういうものなのかを可視化し、ちゃんと自分のやりたいことなのかをみる。もしやりたいことでなければそれを改善できるように動き、もしその改善が難しかったら転職を考える。